半兵衛は羞恥に唇をかみしめた。
背中に脚つきのクッションを押しこまれ、仰臥した裸身を、あろうことか王が検分しているのだ。
乳房の張りをたしかめるように撫で、白い脇腹をなぞって、秀吉は言った。
「確かに別人ではあるまい。他人のそら似とて、ほくろの位置までは真似られぬ」
「ほくろ?」
「ここだ。と、言ってもそなたには見えまいが」
脇のしたの柔らかな肌に触れられて、甘い疼きに身体が震える。その場所を昨夜、秀吉が執拗に舐めていたことを思い出し、半兵衛は吐息をもらした。
その間にも、秀吉の手は休まず身体を探る。
投げだされた両脚の間に大きな手がすべりこみ、無遠慮に指が突きこまれた。
「―――い、っ……ぁ!!」
さすがにこうも毎夜続けば、蹂躙されることにも慣れてくる。
奥歯で悲鳴を噛みころし、破瓜の痛みをこらえた半兵衛に、秀吉は感嘆の声をあげた。
「だが、同じ人間でもあり得まい。閨のたび処女にもどる娘など、世にあるまじき事だからな」
引き抜かれた指が、処女の証に紅く濡れている。
半兵衛は泣きたくなってきた。
「そなたは一体、何者だ」
「わかりません」
本当に、わからないのだ。わかるのは、ただひとつ。魔術師から贖った魔法とは別の力が、この身体を生かしているという事だけだ。
ゆっくりと王の身体が肌に重なる。指とはくらべるべくもない、格段に太い逸物を受け入れて、半兵衛は涙をこぼした。